トップへモドル
たのしい道具のイラスト&コラム
あなろぐ倶楽部 BlueBlack
自働算盤

自働算盤今回は歴史のはざまで埋もれそうな哀愁漂う素敵な計算器をひとつ

日本の機械式手廻計算機(計算器)といえばタイガーが有名
タイガーは1923年「虎印計算器」として完成しました

しかし現存する日本最古のモノはもうちょっと古い
1901年までさかのぼる(特許を得たのは1903年)
矢頭良一の発明した「自働算盤」

1個の円筒と22枚の歯車から成り当時の最高桁数と同じ8桁までの計算ができる

西洋のモノとは一味違う2進法&5進法

名前の通り算盤方式なのです

珠算を習っていた私はここでぐぐっと愛着がわいてくるのでした
でもって効率もすこぶる良かったとか
自働算盤は鉄製で重さ約20キロとずっしり重く卓上ではあるが「クルタ」のように持ち運ぶのはまだまだ困難ですね
価格は 1台 250円(「家が一軒建つほど」だとか)
二百数十台売れて航空機の開発資金に当てられたそうです
どんな人が購入したのかと思ったら販売先は陸軍省や内務省だそうです

矢頭良一は航空機の開発資金を得るために計算器の発明に取り組み成功を収めるが航空機の開発は31歳という若さで他界し途中で終わりを迎える

そして現存していないと思われていたこの自動算盤ですが矢頭の親族が所有しており2010年に北九州市に寄贈された
時価約1億円だそうですよ
機械遺産に登録されてます

「実家のどっかにないかな〜」などと思ってしまいます
いいなぁ〜これ






表紙へ その1 機械式計算機へ


ご覧になる作品は、すべて作家が著作権を有しているため、許可なく転載、改変その他類似の行為を禁じます。
All rights reserved. Copyright FUWARI