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たのしい道具のイラスト&コラム
あなろぐ倶楽部 BlueBlack
てりふり人形

てりふり人形実家の玄関には昭和の香りがする民芸品が飾られている
茅葺屋根の家に男女の人形が配置されたとっても素朴なモノです
しかしこの人形は天気を予想してしまうのです

正体は「てりふり人形」という箱根旅行のおみやげでして十数年前に私が買ってきたのですが今になってとっても気になる存在になってきました

晴雨人形や降り照り人形とも書かれる天気予報をしてくれる人形
天候によって男女の人形が動き晴れなら女が雨なら男が家のなかから出る仕組みになっているアバウトで素敵な気象予測器具だったりします
湿度で変化する髪の毛など動物性繊維を利用して軸をまわし人形を動かしているらしい
フロッグウェザーレポーター(お天気かえる)が簡易気圧計としたらこちら「てりふり人形」は簡易湿度計といったところですね
とてもゆっくりした動きが不思議さを倍増させます

「毛髪湿度計」という髪の毛を利用した本格的な湿度計がありますが仕組み的には似ているのかもしれません
この湿度計は以外に身近なモノで小学校に設置されてた百葉箱の中にあったとか
しかし1993年に気象庁は百葉箱での観測を廃止されました
百葉箱って気象庁のモノだったんですね
この「毛髪湿度計」で使う髪の毛は白人で金髪の若い女性のものが最適であるとされているそうです

ふりてり人形は結構当たると人気で入手が困難らしいですね
細かい仕組みを知りたくなりますがこういったものはやはり職人さんしか知ることが出来ない秘密としておいた方が楽しいかも
まぁシンプルな構造ですから分解すれば解ると思いますが・・
仕組みはどうであれ不思議でたのしいモノにはかわりがありません

今は箱根の「てりふり人形」ですが実は京都で作られていた民芸品
もともとは晴女は柴を頭に乗せた「大原女」で雨男は歌舞伎の權太という「千本桜」の段の男が桶(おけ)をかついで現れるのだそうです

里帰りして思うのですが実家の玄関にはてりふり人形がとても似合っている
その実家の「てりふり人形」をひそかにねらっているのですが実家の玄関にこれほどマッチした置物にいまだ手をだせずにおります
しかしいつの日か「お天気かえる」と「てりふり人形」を並べて見たいと野望に燃えるのでした






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